■動作の構成

動き、特に足の動きについては2足で立ち続けなければならないという制限のために、動作にも法則性がある。
つまりは重心バランスを取るということだが、「動き」自体に着目して分類整理してみたい。

§胴体基準動作と足先基準動作

動作には胴体基準動作と足先基準動作がある。
胴体基準動作は、胴体を中心に左右対称に動作する動き。これは前後についても同様に言える。
足先基準動作とは足先を中心に胴体が動く場合を言う。屈伸やお辞儀の動作などがこれに当たる。

胴体基準動作とは足先が外界に接触していない状態の動き、足先基準動作とは足先が外界に接触している状態での動き。
胴体基準動作と足先基準動作では胴体が受ける反力のベクトルは逆になる。
応力をフィードバックする部分では分けて考える必要がある。

胴体基準動作は、足先基準動作と複合して初めて実用できる。これは動作に伴い、両足の足裏の相対位置が変化するためで、両足が接地している状態では動作が不可能。よって、足先基準動作を複合して片足に荷重を偏らせることによって足先位置の変化を許容できる。

§周期動作と単一動作

歩行などの周期動作も単一動作に分解することができる。ここでの単一動作は「一歩進む」動作である。単一動作に分解すると、その動作は胴体基準動作と足先基準動作に分解することができる。

ただし、実際には単一動作に分解した歩行動作と周期動作として捉えた時の歩行動作は異なる。これは加速度を考慮しなければならないからだ。単一動作を繰り返し、周期動作とする場合、速度を維持したままでも差し支えなかったり、その慣性力を利用したりするため、実際の動作は細かい点で異なる。
(発声時の語尾変化に似ている)

周期動作に関わらず単一動作の連結には変化が伴う。変化の法則がデータ化できれば基本動作(単一動作)を組み合わせることで複雑な動作を生成できる。

☆☆☆

§汎用的な足姿勢移行行動を考える

平面に立っている状態を考える。この時の重心は両足を結んだ直線状にあることが予想される。この姿勢より他の足姿勢に移行する場合、重心を片側の足に移し、その状態から他方の足を上げ、目標の足姿勢へと移動する。足を移動することで重心が移動し、片足で立てなくなる可能性が高く、移動速度が速い場合には更に加速度による平面に投影される重心位置にもズレが生じる。このズレを考慮した軌道にて足姿勢を移行し、目標の両足間姿勢へと移行を完了する。

この動作において難しいのは現状の両足間姿勢から目標の両足間姿勢に移行する時に重心の大勢を決める胴体部分の受ける加速度である。胴体部分に発生する加速度の平面ベクトルが両足間を結ぶ直線と常に平行であれば、バランスを崩しにくい。

理想的には重心移動のフェーズにて支持脚となる足の真上に重心が来るように移動し、目標となる足姿勢へ直線で移動する。どのフェーズも直線移動となるため、わかりやすく計算しやすい。

速度が十分に小さい場合はこれでよいが、実際には速度が大きすぎ、胴体の移動加速度により転倒することが予想される。

結局はZMP規範の動作計画をたてなければならないということか。。。???